想(そう)のお知らせ

そうのブログです。

支えはキャッシュフローの創出力だ。

今後の成長軌道を十分に描けているとは言い難い。
課題はビール事業の採算改善遅れだ。
傘下のキリンビールがビールなどを1キロリットル売るのに投入する宣伝・販促費は16年12月期で4万7800円。
11年12月期に比べて1万4900円増えた。
従業員1人当たり売上高は約1億3000万円とアサヒビールの約2億4000万円より少ない。
多くの費用や人材を投入しているにもかかわらず、販売減少に歯止めがかからない。
海外もベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブと英SABミラーが16年に経営統合し世界シェア26%のメガビール会社が誕生。
シェア2%のキリンを圧倒する。
磯崎社長も海外はミャンマーやフィリピンな ど注力地域を絞ると話す。
新たな成長のけん引役に見据えるのが、医薬品を含めた健康関連分野だ。
協和発酵キリンはグループのコア事業。
株式持ち分は保有を継続する。
8月の決算説明会で磯崎社長は表明した。
上場子会社で50%出資する協和キリンは連結営業利益の2~3割を稼ぐ。
たびたび売却が取り沙汰されてきたが、明確に否定した。
協和キリンはバイオや抗体医薬で定評があり、染色体異常やがん治療などで有望な新薬候補を抱える。
この開発力を生かせば酒類や飲料の収益底上げにつながるとの読みがある。
相乗効果により新規事業に挑戦する。
好採算の健康飲料やサプリメントなどの開発を検討する。
支えはキャッシュフローの創出力だ。
前期の部門別フリーキャ ッシュフローを算出すると、国内の酒類・飲料事業はアサヒに見劣りするものの医薬品と海外飲料が稼ぎ、全体では1580億円の黒字とアサヒの1423億円の黒字を上回る。
資金配分を大胆に見直す余地はある。